開発内容が大きく複雑になってくると、どこからともなく「EJBで行った方がいいんじゃないか」という声が聞こえてくる。確かにEJBは絶大な成果をもたらす場合もあるが、すべての問題に対してEJBを選択することが正しいわけではない。EJBは苦しい状態を救ってくれる万能の杖ではなく、あくまで一つの技術であり、使いどころを誤ると苦い思いをすることになる。
『サーバーサイドJavaアンチパターン』の続編として企画された本書では、EJBに絞った43のアンチパターンが集められている。EJB開発で陥りやすい罠、予期される失敗を図面やソースコードを用いながら丁寧に解説してゆく。しかし決して重苦しい雰囲気になっていないのは、「Sledgehammer for a Fly」「Customers in the Kitchen」といったアンチパターン名や、スノーボード等に例えた不安の描写など、著者のユーモアセンスが随所に散りばめられているためだ。原題は、『Bitter EJB』。各章のタイトルは「苦いビルド」「苦いチューニング」といった調子でつづられる(Java関係の用語がコーヒー関連の言葉だということは言うまでもない)。しかも各ジョークがジョークに終わらずきちんと的を得ているため、問題点を理解する助けとなっている点が素晴らしい。
EJBの採用を判断するリーダーをはじめ、開発者には現状のEJBの問題点や危険な使い方を知るうえで非常に有益な内容に仕上がっている。少なくともEJBの仕様が変わるまでは手元に置いておきたい本だ。(大脇太一)
出版社/著者からの内容紹介
オブジェクトプログラミングのアンチパターン(こうしてはいけないパターン)を集めた解説のEJB編です。新たに掘り起こした43の失敗パターンとそれらを回避するためのプログラミングのヒントを解説しています。。『サーバーサイドJavaアンチパターン』(日経BP社刊)の著者を中心とした執筆チームが、その続編として企画しました。サーバーサイドJavaの中でも、複雑で利用方法が確立していないEJBに絞って、かかりやすい罠などのアンチパターンを集めました。第1部は3章で「基本」、第2部は3章で「セッションとメッセージ」、第3部は2章で「永続性」、第4部は3章で「最適化など」の構成です。
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