参照の問題4
【4問目・問題】
以下のようなコードがあります(開始から終了までの部分)。
//開始
class Test{
public static void main( String argv[ ] ){
Card c1 = new Card( 1000 );
Card c2 = c1;
Card c3 = new Card( 2000 );
c1 = null;
System.out.println( c2.deposit + c3.deposit );
}
}
class Card{
int deposit;
public Card( int d ){ deposit = d; }
}
//終了
このコードをコンパイルし実行したときの結果を選択して下さい。
(コンパイル、実行の方法は正しく行われるものとします。)
a. 0 と出力される。
b. 1000 と出力される。
c. 2000 と出力される。
d. 3000 と出力される。
e. コンパイルエラーとなる。
f. 実行時に例外がスローされる。
前の問題
解答・解説
d. 3000 と出力される。
参照の問題4(解説)
今回は参照についての問題です。
参照についてはSJC-P対策Java用語集でも説明しているので参考にして下さいね。
SJC-P対策Java用語集:参照
今回の問題で注意するべき点は null についてだけです。
その他の部分については、
1問目
、
2問目
、
3問目
を復習してみて下さいね。
それでは処理の流れを追っていきます。
Card c1 = new Card( 1000 );
まず、 new Card( 1000 ) という処理により新しくインスタンスが生成され、
そのインスタンスへの参照が c1 に格納されています。
その後、
Card c2 = c1;
という処理では、新しいインスタンスの生成は行われず、インスタンスへの参照
のコピーだけが行われ、 c1 と c2 は同じインスタンスを指し示すことになります。
続いて
Card c3 = new Card( 2000 );
という処理では新しくインスタンスが生成され、
そのインスタンスへの参照が c3 に格納されています。
そして null の代入が出てきます。
c1 = null;
この null が代入された参照変数は、どのインスタンスも指し示さなくなります。
つまり、図示すると以下のようなイメージになります。
c1 が何も指し示していないことが分かりますね。
ちなみに、もともと c1 が指し示していたインスタンスに対しては何の影響も与えません。
c1 がどのインスタンスも参照しないという状態になるだけで、インスタンス自身には影響は与えないのです。
さて、ここまでの説明で分かるように、 c2.deposit は 1000 、 c3.deposit は 2000 となります。
そのため、c2.deposit + c3.deposit の値は 3000 となり、解答は d となります。
ところで、ここでもう一つ問題です。
今回の問題文を以下のように書き換えたら、実行結果はどのようになるでしょうか。
//開始
class Test{
public static void main( String argv[ ] ){
Card c1 = new Card( 1000 );
Card c2 = c1;
Card c3 = new Card( 2000 );
c1 = null;
System.out.println( c2.deposit + c3.deposit );
System.out.println( "c1.deposit == " + c1.deposit );
}
}
class Card{
int deposit;
public Card( int d ){ deposit = d; }
}
//終了
答えは「実行時に例外がスローされる。」と「3000 と出力される。」の両方になります。
実際に実行してみましょう。
>javac Test.java
>java Test
3000
Exception in thread "main" java.lang.NullPointerException
at Test.main(Test.java:9)
最初に 3000 と出力されて、直後に NullPointerException という例外が発生している様子が分かりますね。
この例外は、参照変数がどのインスタンスも指し示していないため、インスタンスを参照できない
という場合にスローされる例外です。
今回追加したコードの部分では、すでに c1 はインスタンスを指し示していないため、このように NullPointerException
がスローされるのです。
ただし実行途中で例外が発生する場合も、例外が発生するまでは正しく動作します。
そのため、例外が発生する直前の
System.out.println( c2.deposit + c3.deposit );
という部分までは正常に動作し、「3000」が出力されることになります。
このように、 null が格納された参照変数を通じて操作を行おうとすると実行時に NullPointerException が発生する
ということは覚えておきましょう。
関連ページ:SJC-P対策Java用語集・参照
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