absメソッドとは：SJC-P(310-035)対策Java用語集

Java用語集：absメソッド

absメソッドについて：簡単に説明すると

abs()メソッドは Mathクラス の クラスメソッド の一つです。
このメソッドは、引数に与えられた数値の絶対値を返します。

absメソッドについて：もっと詳しく

abs()メソッドは オーバーロード されているので、様々な型の数値を引数にとることができます。
具体的にはint型、long型、float型、double型の数値を引数として与えることができます。
戻り値の型も引数の型に応じて変化します。
引数と戻り値の型の関係は以下の通りです。

public static int abs(int i)
public static long abs(long l)
public static float abs(float f)
public static double abs(double d)

引数として与えた型と同じ型が返ってくることが分かりますね。

ところで、絶対値というコトバが分からない人は、引数として与えられた数値が、符号がプラスになって戻ってくると覚えれば良いかと思います。

実際に試してみましょう。

class Test{
  static public void main( String[] argv ){
    int i1 = -500;
    long l1 = 8790L;
    float f1 = -78.54F;
    double d1 = 6330.99D;
    
    int i2 = Math.abs( i1 );
    long l2 = Math.abs( l1 );
    float f2 = Math.abs( f1 );
    double d2 = Math.abs( d1 );

    System.out.println( "i2 = " + i2 );
    System.out.println( "l2 = " + l2 );
    System.out.println( "f2 = " + f2 );
    System.out.println( "d2 = " + d2 );
  }
}

>javac Test.java

>java Test
i2 = 500
l2 = 8790
f2 = 78.54
d2 = 6330.99

全ての数値の符号がプラスになることが分かるかと思います。

ところで、ソースコード中では代入の際に「-78.54F」とか「8790L」という感じで数値の末尾に アルファベットがついていましたが、実行結果ではついていませんでした。
これらの表現は リテラル というものであり、ソースコードの中でのみ有効な表現です。
そのため、実行結果においては数値の末尾に「L」や「D」が付与されることはありません。

また、abs()メソッドの戻り値は原則的に正の数値になりますが、例外的に次の場合は戻り値が負の数値となります。
・Integer.MIN_VALUE を引数として与えた場合
・Long.MIN_VALUE を引数として与えた場合
実際に試してみましょう。

class Test{
  static public void main( String[] argv ){
    int i1 = Integer.MIN_VALUE;
    long l1 = Long.MIN_VALUE;
    
    int i2 = Math.abs( i1 );
    long l2 = Math.abs( l1 );

    System.out.println( "i2 = " + i2 );
    System.out.println( "l2 = " + l2 );
  }
}

>javac Test.java

>java Test
i2 = -2147483648
l2 = -9223372036854775808

ちなみに、絶対値は英語で「absolute value」です。
メソッド名は、この「absolute」を省略してabs()となっています。