NaNとは：SJC-P(310-035)対策Java用語集

Java用語集：NaN

NaN について：簡単に説明すると

NaNとは、「Not a Number」の略であり、「非数値」と訳されたりします。
NaN 値は、ある種の無効な演算結果を表現するために使用されています。

NaN について：もっと詳しく

NaN つまり非数値とはどのような数値を示すのでしょうか。
具体的には以下のケースが考えられます。
例えば、 Mathクラス の クラスメソッド である sqrtメソッド により負の数値の平方根を求めようとするとした場合、 数値では表現することができない値になります。
こうした場合に、NaNが返されることになります。

実際のコードで確認してみましょう。

class Test{
  public static void main( String args[] ){
    double d1 = -4.0;
    double d2 = Math.sqrt( d1 );
    System.out.println( "d2 == " + d2 );
  }
}

>javac Test.java

>java Test
d2 == NaN

注意しなければいけないのは、このNaNは通常の数値とは異なり どのような値とも絶対に「= =」の関係にはならないということです。
そのため同じNaNを格納した変数同士を「= =」で比較しても false が返されます。

確認してみましょう。

class Test{
  public static void main( String args[] ){
    double d1 = -4.0;
    double d2 = Math.sqrt( d1 );
    if( d2 == d2 ){
      System.out.println( "d2 = " + d2 );
      //ここは通らない。
    }else{
      System.out.println( "NaNは絶対「==」の関係にはなりません。" );
      //ここを通る。
    }
  }
}

>javac Test.java

>java Test
NaNは絶対「==」の関係にはなりません。

このため、変数がNaNであるかどうかを検査するためには isNaN メソッド を 使う必要があります。

ちなみに、float型とdouble型の NaN 定数は、Float.NaNとDouble.NaNとしてあらかじめ定義されています。